オランの日常 ソードワールド日常掲示板
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記事No : 12062
タイトル 振り返って理解るモノ
投稿日: 2018/06/19(Tue) 22:44:08
投稿者クロムウェル
参照先http://bbs.swordworldweb.net/pc-list/read.cgi?no=588

>「家族を殺した賊とはただもんじゃないんだな?
>騎士のあんたが何もできなかったのなら・・・
>何か協力できることがあれば言ってくれ、俺も手伝うぜ!」


「……お気持ち、かたじけなく」


わずかに目を伏せ、謝意を示す。
仇は我が手でと決めてはいるが、それでもこうして述べてくれることが
私にとっては何よりの激励だった。

そしてゾイは自らについても語ってくれる。
彼は、”彼ら”は、竜とまみえたのだとか。


>ある時、竜と言っても小型のほうなんだがな、それとかち合って、俺達の傭兵団は壊滅状態。
>生き残ったのは、老兵と新米と飯炊きの家族たちだけさ。
>玄人の傭兵はは俺達を救うため、竜と戦って命を落としたんだ。
>俺なんか草の茂みに隠れて、ただ死んでいく仲間を見る事しかできなかったんだ。
>竜の強さに怯えてどうにもできなかったんだ。


「…………」


人智を超えて、あるいは人倫を超えて生み出された存在のうち、
美しく気高きものを幻獣・おぞましく忌まわしいものを魔獣と呼ぶ。
では竜はどちらであるかと言えば……彼らにとっての竜は、
まさしく魔獣であったのではないか。

傭兵団一つがまるごと餌食となったその出来事を、
だがすでに過去と割り切ってか、ゾイは淡々と話す。


>あれ以来、俺はいつか竜を倒して、
>さらに高みへと高みへと自分が強くなることを望んでいる訳さ。」


「……なりましょう、強く、強く。
 いつか、竜よりも」


本当に竜を超えられるかは分からない。
だが人の器は見ても話しても分からず、ただ水を注ぐことでのみ測られるという。

湛えた水を力とするか、溢れた水に溺れるか。
私は彼を、後者と賭けたい。







剣士の酒席はまだ続く。
雨の滴る音、薪の爆ぜる音、そしてゾイの語る声に、
私は盃代わりの椀をあおりつつ耳を傾け続けた。


>俺はクロムウェルの旦那の目をしっかりと見て言う。
>「最初はパダでは一般人の苦情を解決してくれとの事で……


パダでの出来事について、彼が話すことは長かった。
しかしそれも無理なきこと。
住民の陳情に応えた、ある種ありきたりな依頼は、
しかし奇妙な出会いを彼にもたらしたのだ。



遺跡(”墜ちた都市”だろうか)の周囲をうろつく怪しい二人。
仮面の盗賊レンシーと、マクシミリアンの男テッド。
事情を聞き、共に挑んだ遺跡内部での激闘と撤退。
そして犠牲……

雪辱を果たし別れたのち、彼は落涙したという。


「人の心はわかりません。
 ですが自分の心ならば、あるいは」


ゾイの佩刀、”紅竜王”にわだかまった呪いの色を眺めつつ、
私はそうつぶやいた。

自分の心こそ理解できぬものと世の賢者たちは言うが、
しかし、人生で最も長く付き合う”自分”であるからこそ、洞察に洞察を重ね、
いつか理解の辺縁にたどり着けるのではないかと、私はそうも思う。


「強くなるには生きねば。
 そして生きれば、貴方が知りたかった答えにも
 いつかまみえる事ができるやもしれません」


少なくとも私はそうと感じたのだ。

あの日、命奪われた妻と娘を、十数年を共に過ごした家族を、
やはり私は愛していたのだなと。


───────────────────────────────────
───────────────────────────────────
-PLスキュラ-
やっぱり早い!
そして長い…めっちゃ長い!


こきんさんもゾイも、そうおっしゃってくれてありがたや。
またご一緒できる日を楽しみにしてますね。


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