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記事No : 12059
タイトル 雨の森の酒席
投稿日: 2018/06/16(Sat) 01:56:37
投稿者クロムウェル
参照先http://bbs.swordworldweb.net/pc-list/read.cgi?no=588

大分と年の差もあろう私とゾイだが、大の男同士という点では一致している。
その為だろうか私は、相手が自分と同じく、ある種の遠慮をしていることに気がつく。


> だが、無理やり聞くと相手の心を傷つけることになるかもしれない。

> 本人が口に出すまで、自分の話題を話すのも悪くない。

> 話ができる人がいて良かった・・・心が落ち着くかもしれない・・・


大きな身体が他人を脅かさぬよう。
低く太い声が怯えさせぬよう。
鍛えた剣が己に向くかと畏れさせぬよう……きっと彼もまた、
戦士故の気遣いをもって今までを生きてきたのだろう。
例えるならそれは、小さな友人を傷つけまいとする巨人の優しさだ。

私は剣を背負いなおし、若き巨人へと歩み寄った。
自らもまた、かつてそうであった者として。


「ではあちらへ。
 古びた猟師小屋があります」


快活なゾイの言葉には積もる話しもあるところだが、今は雨。
彼も言う通り、雨露をしのげる場所へ移るとしよう。
先に立ち、雨中を歩む。



..
...
....



「地場の猟師から、期間を区切って使わせてもらっています。
 さ、中へ」


狩猟が盛んになるのは晩秋から雪解けまで。
逆に言えばそれ以外、獣が仔を産み、育てる期間は森も閑散とするらしい。
稽古の拠点にと借りた猟師小屋へ、私はゾイを招き入れた。

雨具を脱ぎ、干し、普段集めておいた薪に火をつける。
初夏の頃とはいえ季節風の吹く今の頃は、油断をすれば風邪を引く。
戦う前に倒れては騎士の意味などないと、祖父からも厳しく言われたものだ。


「……私は元は騎士でした。
 こうして自分の面倒を自分で見ることも、恥ずかしながらこの数年。
 家を出てからのことでして」


街の酒場のような上等さなど望むべくもないが、
それでも保存食のいくつかをほどき、酒のアテにする。


「まずは一献」


素っ気もない木の椀に酒を注ぎ、肴とともに勧める。
かつて主家の騎士団に詰めた日々、ともがら達との昔を思い出す。


「剣を持つかは迷っていました。
 私は目の前で家族を賊に殺めさせた無能。
 敵討ちと意気込んでも、もはや自分は剣にふさわしからざる者ではないかと」


「しかしいつぞやのゾイさん、貴方の戦いぶりを見て、私は血が滾るようでした。
 資格の有る無しではなく、やはり私は剣が好きなのだなと……
 王都に戻ってからミストレス・マリーに紹介を請い、すぐに剣を仕立てました」


傍らに寝かせた剣、”毒喰らい”をわずかに抜き、刀身を見せる。
薪の揺らめく火に照らされて、柄頭の孔雀が羽根をきらめかす。

僅かな間を置き、再び剣を鞘へ。
そして並々と注いだ酒を、一気に飲み干す。


「……ふう」


王都の葡萄酒は美味い。
毎夜、妻子の流した血を思わねば、復讐の念すら忘れてしまいそうなほどに。


「パダに出張ったと、おっしゃいましたね。
 何かが起きたと見えます……剣にも、剣士にも」


呑んでいるかと酒瓶を向けながら、”血塗れの”と呼ばれた男へと問う。
雨中のゾイが抱えていた真紅の大剣は、しかし糸紡ぎの大蜘蛛の頃とは
なにかが違って見えたようにおもわれた。
単なる打ち直しという風には、どうも見えない。


「貴方が何に巻き込まれ、誰にのめり込んだのか。
 よければお聞かせください」


悪しき事柄でなければと。
そうでなければ、せめてこの若き戦士が乗り越えられる試練であればと。
私は雲の上、天上の星々へと祈る。


───────────────────────────────────
───────────────────────────────────
-PLスキュラ-
返事が遅いって、そんな……こきんさんメチャクチャ早いじゃないですかーヤダー。
ではでは模擬戦はナシで、会話シーンにしてみました。

雨がしのげるところと考えて、ひとまず森の中の小屋をでっち上げました。
いや、街まで戻ってミノ亭でもよかったんだけど
なんだか雨の森の雰囲気が気に入っちゃって。

鎧はそうです、鎧じゃなくて鎧の上のサーコートでした!
いえーい悪根さんのオリジナルアイテムー。
お金はまた稼げばいいの精神で散財しておりますです。

大きく場面を動かしてしまって分かりづらいかなとちょっと不安。
もしそうだったらごめんなさい!
ゾイのお話を楽しみにしてますね。
スキュラでした。


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