記事No | : 12040 |
タイトル | : かえるのうたが |
投稿日 | : 2018/06/05(Tue) 17:09:00 |
投稿者 | : デュドネ |
参照先 | : http://bbs.swordworldweb.net/pc-list/read.cgi?no=558 |
突然の雨で、往来も慌ただしくなった。
濡れても気にも留めぬ者、急いでいずこかへ向かう者。
王都の住民は多く、よって反応も様々だ。
ひとりの少女が、ぱたぱたと駆けこんできた。
彼女も雨宿りということだろう。
先にいた私に今気づいたのだろう、小さく声を上げたので、私も軽く微笑んで会釈をした。
王都には人間が多い。すれ違う者すべてに声をかけていては一歩も進まないだろう。
・・・とはいえ。
わざわざ沈黙を保つほど厭世的ならば、私は冒険者になどなっていない。
闖入者のカエル氏がちょうどいいきっかけを作ってくれたようだ。
>「ふふっ あはあはっ お荷物にカエルが乗ってますよ」
彼女の反応が微笑ましく、私は目を細めた。
声の主は剣をはいた色白の少女。
私も色は白く、そのせいだろうか、強い日の光は苦手だ。
フードはもともと手放せなかったが、今は別の理由で手放せない。
「ちょうどコンサートが始まったようです。
貴女も嗜まれるようですね」
軽やかな鳴き声が響く中、彼女の荷物から垣間見える、何かの楽器。
風貌からはおそらく同業、冒険者だと思われるから、つまり彼女は剣を扱う吟遊詩人、ということだろう。
「私のような武辺者でも、音楽は楽しいものです。
カエルのコーラスもなかなか面白い」
小麦袋に乗った彼(彼女?)の声に釣られたのか、あちらこちらから姿の見えない声がころころと聞こえてくる。
雨の滴る音と合わさって、複雑なリズムを刻んでいる。
「彼が私の荷物に飽きるまでは、ここにいるとしましょう」
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PLより:
ツナツナさん、絡んでくださってありがとうございます〜。
ペチカちゃんかわいい!(語彙