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記事No : 11952
タイトル
投稿日: 2017/10/10(Tue) 09:33:41
投稿者リュシート

 
 
「──シオン」


 ハープの和音と静かな歌は、ふっつりと唐突に途切れた。

 おれが右手でふいにシオンの腕をぎゅっとつかんで引っ張って、そして名を呼んだから。


「シオン、シオン、……」


 そしておれは、もの憂げにとり澄ました詩人顔なんかすっかり忘れて、困りはてたような、混乱しきったような、必死にすがるような顔で、シオンをのぞきこんだ。──とっさにそうするしか思いつかなくて。


「……なにか見えたかい?
 でも、そっちはあんたの世界じゃない、あんたはまだ行っちゃだめだ。
 あんたまでおれを置いてっちゃだめだよ、シオン」


 やれやれ、そいつらをちゃんとシオンに見送らせるための歌だったのに、おれとしたことがとんだヘマだよ、まったく。
 だから、ヘマついでに白状しようか。
 もう一度おれを見たシオンを、逃がさないように強引に捕まえたままで。


「おれはねえ、レクイエムは苦手なんだ。こんな古くて短いの、ワンフレーズしか知らない」

 だって、エルフだからねえ、キリがないだろう? にっこりと笑って。

「そしてね、おれのこの歌にはジンクスがあるんだ。
 虫の知らせだの胸騒ぎだのを感じて、おれが殊勝な気持ちでこの歌を捧げると、どういうわけかそいつは黄泉の国からあわてて帰ってきちまうのさ。
 ひとりやふたりじゃないんだ、おかしいだろう?」

 なにしろ、このおれ自身が、まったくその通りの目にあったこともあるしね。


「……だから、お望みならいつか、あんた自身に捧げてやってもいいよ。
 でもそれは、いまじゃない」

 ほら、おれのくだらない話、ちゃんと聞いてるかい? ちゃんとこっち見て?




 海は変わらず、真っ黒い闇の中、ひたひたとのたっている。

 あんたがここにいたい間は、おれが付き合うから。
 
 そのかわり、シオンの腕をぎゅっとつかんだままで。
 不自然かどうかなんてなんにも気づかないふりでさ。



──────────────────────────────────────────
ロビン@PL:
くぅぅっ……子鹿のようなシオン反則です……

腕ひっぱってもこっちに見向きもしなければ、本文修正します。(念のため)
よしそのときはガチ勝負だ、食うか食われるかだ、ふふふ。

ガロームはともかくまだこのままではデュドネが帰って来られない流れ(笑)

【 投稿者修正】


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