記事No | : 11898 |
タイトル | : 星祭りに誓う |
投稿日 | : 2017/07/09(Sun) 23:25:44 |
投稿者 | : ハウリー・マード |
参照先 | : http://bbs.swordworldweb.net/pc-list/read.cgi?no=604 |
その日、このハウリー様は星祭りで賑やかなラーダ神殿内のある一室に居た。
「ハウリー・マード推参しました。お呼びですか?マード司祭。・・・は?祭りの手伝いですか?
そのような雑事は、英雄足らんとするこの私には役不足・・・は、はい、ごめんなさいパパン。いきなり大きな声出さないでよう〜。
いや、ボクちゃんとしてたよお手伝い。ほ、本当だよ。サボって英雄譚なんて読んでないよ。・・・ごめんなさい。ちょっとだけ。
へ?研究発表?ああ〜、あれ?えーと、あの、ちょっと遅れてて・・・今回は見送ろうかな〜なんて。はい、ごめんなさいパパン。
え?短冊売り?え〜酷いよパパン!そりゃ論文さぼったボクが悪いけど・・・はい、ワカリマシタ。行ってきます。」
・・・
ふっ・・・わが父ながら、困ったものだ。祭りの運営で多少テンパるのは仕方がない。父のために一肌脱ぐとしよう。
・・・
街中が喧噪に包まれている中、ここラーダ神殿もいつもとは比べ物にならないほどの人で溢れかえっている。
平和な日常・・・ふっいいものだ。
しかし人々が平和を享受できているのは、人知れず脅威と戦っている英雄の存在があればこそ。
庶民の笑顔を眺めていると心が洗われるようだ。ふっ・・・どうやらまた一つ英雄の境地に近づいてしまったか・・・
「あ、はい、短冊1枚1ガメルです。願い事を書いてそこの木に吊るしてくださいね。ご一緒に星のお守りはいかがですか?」
他愛もないゲン担ぎだが、これで庶民が幸せになれるのなら、意義があるのだろうな。
「ふっ・・・うわああっ!!ななな何ですか!?お金ならここに・・・
へ?ああ、短冊ですか?どうぞ一枚1ガメルです。あ、東方語でも大丈夫ですよ。そこの木にどうぞ。」
でっかい!ビックリしたなあ。ボクより背が高い人なんて・・・それに大きな戦斧とごつい鎧。
スゴイ強そうだなあ・・・冒険者だなきっと・・・いいなあ・・・ボクも冒険したいなあ・・・
あ、発表会も始まったみたい。こんな所にいないで、ボクも向こうで聞きたいなあ・・・まあ聞こえてくるからいいけど。
はあ?シーリングハンガー!?のり!?
さらりと言ってるけど、やっぱり冒険者はスゴイなあ。そんな極限状況じゃ魔物でも何でも食べないと生き残れないのかあ〜。
ふう・・・だいぶ暇になってきた。一息つけるな。こっそり持ってきた竜殺しリジャールの勲でも読もう。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
うるさいな?なんだ?バンダナしたドワーフが雄たけび?あ、お客さん?
「た、短冊ですか?ん〜と、ブラキ信者の方にもご利益ありますよ・・・きっと。いや、本当かって言われても・・・信じるものは救われるんです。
あの〜願いを大声で叫ぶ必要ないんで。そこの木に吊るしてくださいね。」
あーもうせっかく本読んでたのに、変なドワーフのせいで人が集まってきちゃったよ。
いつまでもこんな事してたら、ダメになる!決めた決めたぞ!絶対に冒険に出る!!