オランの日常 ソードワールド日常掲示板
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記事No : 11640
タイトル “お気に入り”に想いを馳せて、(1月7日、オラン、マーファ神殿)
投稿日: 2016/01/07(Thu) 00:24:52
投稿者カーレン
参照先http://bbs.swordworldweb.net/nac-list/read.cgi?no=70

「あーもう……」

 神殿の敷地ってどうしてこんなに広くて、遠いんだろう?
洗濯物の籠を布ひもで背負っているのなんて、ここじゃたぶん私くらい。でも便利よ!手が空くっていうのはそうでないことよりずっと、なんでもできるってことだもの。
品行に正しく生きる修道女だって、生活の時間に一々楚々としてる必要はないと思う。そりゃあ、一般の信者さんの間で、背中にこんもりと洗濯物を満載にした籠を背負って歩き回るシスターがいるって、
噂が立ったって聞かされたときには私も恥ずかしくて赤くなっちゃったけど。おかげで、せっかくほかのシスターにお勧めしていたのに、誰もやらなくなっちゃった。いいわ!私だけでもこれを実践しつづけてみせる。いずれ便利だって、再評価されると思うもの。

 それにしても神殿のすみっこの方にある寄宿舎までまわって行くのが億劫だ。でもそんなことに一々億劫だぁ、億劫だぁって呟いている時間さえ、惜しみたいくらい毎日やることは山積みだ。洗濯物もね。だいたい施療院から宿舎までまっすぐ行ければなにも問題はないんだ。それをあの“大聖堂”が通っていい人と通ってよくない人とで、通路をわけてしまうから、敷地をぐるーっと回って行き来しないといけなくしてしまう。

ほんのちょっと、廊下を通るだけなのに神官じゃないと通れない。おかげで重たい洗濯籠を抱えて修道院から宿舎までえっちらおっちらと、毎日毎日いい運動ができてしまうのです。本当にありがたいことですことっ!施療院からも、そんな感じで行き来が面倒で大変。毎日何枚シーツを洗って替えているのか!
 
「結局ネズミのように走り回るしかないんだわ!」

 うっかり。ちょっと大きな声をだしてしまって、思わずぐるぐる、あたりを見渡す。シスター長にこんなことが聞かれたら、またクドクド説教をされるに違いないわ。

――患者に接するシスターがネズミとはなんですかっ!

 そんな感じで頭の中にシスター長が私に向かって唾が飛びそうな勢いで語り出すのが目に浮かぶ。

「私って、瞼に浮かぶくらい、彼女に説教を受けているのね……」

 思えばそう、オランの外の修道院からオラン都市に戻って来てからも、……いやいや、向こうの修道院にいたころも結構、何かと注意を受けることが多いと思う。

「……向いてないのかな」

 洗濯物の籠が重いだけじゃない。不意によぎった雨雲のような心の不安が、私の顔も曇らせる。駆けていた足の歩幅はみるみる縮んで、亀のような遅い歩みになってしまっている。

「……はぁ〜〜あ」

 向き不向きがあるから。そんな風に人から慰めてもらっても、他のシスターから忠告をして貰っても。私ってば意外と臆病で、気の重みで下がった顔の向きさえ、変えることも怖くてなかなかできない。ましてや、自分の人生の道行きの向きをどうこうすることなんて……。

 でも大丈夫。そんな臆病な私でも取柄はある。それに、こんな時でもどうすれば自分の顔だけは上げられるか、そのための素敵な方法にも“あて”がある。

「――バラに垂れる雨の雫、子猫ちゃんのおひげ――♪」

……そう。こんな風に、音楽の調べに乗せて――

「――キラリと光る銅薬缶、ウールのあったかミトン――♪」

……私の好きな、お母さんの好きだったっていう、お気に入りを並べて唱えれば――

「――紐で結わえた茶色い小包――♪」

重たい足は羽のように、沈んだ顔は空を仰いでいく――

「――これらは私のお気に入り――♪」

歌いながら、宿舎の洗濯場につながる角を曲がると……、……しまったぁ!

「ご、御機嫌ようシスター長」

ああー聞こえてくるー!今度は瞼の上じゃなくて耳の奥にシスター長が!

――御機嫌よう、シスター・カーレン。さて、あなたに言いたいことが一つあります……

って具合に!確かに一つなんだけれど、その一つが長くて、深くて、尖っているんですー!


 こうして、私は洗濯物を満載の籠を今後背に背負うのではなく、何回に分けてでもいいから、少ない量を確実に手で運んでくるようにと、仰せつかったのでした。もちろん!洗濯物籠を背負ったまま、踊るように歌うのは控えるように!とも。


 そんな風に、今日も私のオランの神殿での生活は続いていく……。

「……でも、これでいいのかしら……」

 マーファ様の神殿には、夕暮れが近づいたころ熱心な信者さんが礼拝に訪れたり、施療院で顔なじみになった間柄の人たちが祈りを捧げるついでに会話を楽しみに訪れる。そんな人たちのお相手をすることも毎日の大切なおつとめになっているんだけど、今日はちょっとだけ自分のことに悩んでいるし、気づけば人はまばらだしで、どうにも気が入らない。

「……本気に悩んじゃってるのかなあ、私」

 はぁ、と歌を歌っても踊っても解決してくれない、しつこいシミのようなものを抱えて、私は長椅子の上に坐って両腕を背もたれにのせながら、ため息をついてしまうのだった。


―――PL―――
 NAC復権を目指した一手を投じてみよう。
どうもこんばんは、甘橙です。

 というわけで、戦闘能力のないキャラクターとして、作ったマイNACこと、カーレンです。歌唱力がそれなりにある、歌と踊りが好きなシスター見習いです。曲の選定?はてさて。たまたまシチュエーション的に歌わせたっただけですよ?

 オラン都市内、マーファの神殿の、一般の人も立ち入れる場所にいます。PCが絡むとしたら、時間は夕暮れがちかい頃ですね。よろしかったら、こんなNACとでも、触れ合っていってください。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。

【 投稿者修正】


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