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記事No : 11351
タイトル 酔いも笑いも生きてこそ
投稿日: 2014/11/25(Tue) 22:07:02
投稿者オート・メララ
参照先http://bbs.swordworldweb.net/pc-list/read.cgi?no=446

>「乾杯」
>ちょん


「おっと、私も」


先輩が飲む酒からすれば水のようなエールだが、盃に貴賎はない。
ショットの乾杯にジョッキで割り込む無粋を働く事にする。


「しかしまぁヒドイ事になってますな、その手…くくく」


老婆のように萎びてしまった先輩の手を笑うのは、
しばらくすればソレは元に戻るだろうという見立てがあるため。
そして酒の席で皆が皆しんみりしていたら湿っぽくてイカンという、
私なりの信条のためである。


笑い話にしてしまったほうが、かえって記憶として整理しやすい事もあるのでは…
と、私は思うのだ。


「なにか先輩は雰囲気が違いますよなぁ…いや、ベテランの冒険者ってこう、
 独特の雰囲気を纏うようになるじゃあないですか。
 刃のような、といったらキザですかね…先輩はアレがあんまりないような気がします」


シティシーフと魔術師の二足のわらじを履くミル・モフェットを勝手に
先輩呼ばわりしている私だが、普段そんなに接点が有るわけではない。
一緒に仕事をしたのも今年に入ってやっとだったか。


だから単に、私が『ミル・モフェットの本気』を見た事が
ないだけなのかもしれないが…


「フフ、気をつけてくださいよ…
 アレの、コレが、危険な魔法の品でソレするなんて笑い話にもならない」


『アレ』で指す符丁は『盗賊』
『コレ』で指す符丁は『魔術師』
『ソレ』で指す符丁は…生きとし生けるもの全てが避けられぬ『ソレ』である。


知識と宝物の両面に通じるミル・モフェットの今回の事故は、
たとえば英雄が不意にゴブリンの短刀を避け損なうような、
そんな油断によるものなのかもしれない。
知るが故、戦う術を持つが故の危険というものがあると、私は思うのだ。


いつか自分にもそんな瞬間が来るのではないか。
果たしてその時私は、先輩のように生きて帰って、
酒の席の話題を一つ作るだけで済むのかどうか。


そんな漠然とした不安が、今夜の私の軽口を後押ししていた。


「ああいかん、冷えてきた…すみません、お湯割りを一つ」


寒さ忍び寄る11月の酒場で。
私はそんな寒気を忘れようと、もう一杯の酒を注文するのだった。


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-PLスキュラ-
アローン日記に邪魔者が一人|彡 サッ

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