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タイトル雨の森の中(6/12 オラン郊外の森)
記事No12052
投稿日: 2018/06/12(Tue) 21:27:51
投稿者ゾイ
俺はパダから帰ってきて、久々にオラン郊外の森に来た。

雨がシトシトと降っている。

俺は大樹の陰で雨をしのぎながら、ただ俺の深紅の大剣を見ていた。

ある戦いにて、俺の剣は呪いがかかってしまった。

剣の刃の部分が赤黒く濁っている。

だが、それに悔いはない。

俺を命を代えて守ってくれた人達の生き様を、次は俺が受け継いだのだから。

それが自分の選んだ道なのだから。

それに初めて魔法具も手に入れたし、パダでの経験は自分の転換期になったのかもしれない。

最近、鍛錬の結果、自分の限界まで体も鍛え上げたし、衰えることはあってもこれ以上、筋力自体上がることはないだろう。

冒険続きで、最近、親しかった冒険者たちともあまり会っていない。

みんな頑張っているんだろうか。


雨が降っている・・・


ただ、俺は空を見上げ、大樹の枝の隙間から零れるしずくを頬に受けながら古びた仮面をつけた女の生意気な会話を思い出していた。

あいつは魂が解放されたとき俺に手を振ってくれたが、俺はあいつに何を求めていたのだろうか。

あいつ達の魂が解放されたとき、何故、俺は泣いていたのだろうか。

誰かに聞いてみたいものだ。

魔法具を買ったおかげで、手元の金はすっからかん。

そろそろ、狩りでもするとするか。

いや、もう少し、空を見上げておこう。

心が落ち着くまで・・・・・

タイトル血塗れの目にも
記事No12053
投稿日: 2018/06/13(Wed) 01:40:07
投稿者クロムウェル
参照先http://bbs.swordworldweb.net/pc-list/read.cgi?no=588
「よく降りますね」


こんな雨の日の森で、まさか人と出会うとは。
赤備えの鎧と共にその名の由来となっただろう剣を携え、
”血まみれゾイ”とも渾名される西方よりの戦士が佇む。


「…………」


暗い雨の森は街より影濃く、二つ名に似合わぬ快活な彼の顔が、私からはよく見えない。
ただ拭われぬ雨だれだけが、”血まみれ”と呼ばれる男の、
だが蒼白い内面を示しているかのようだった。
それは何かを失った男の貌……


「剣か、言の葉か。
 いずれかで私は貴方と語らいたい」


狩りか、それとも私と同じく稽古か。
戦士ゾイがいかなる用向きでこの森を訪れたかは分からない。

だが今、会釈のみをしてこの場を離れれば、私は何かを見落とす……そんな奇妙な予感があった。
故に私は右手に剣を、左手に葡萄酒を下げ、彼の前に立つ。


「いかがでしょうか」


同じ”失いし者”の一人として、私は戦士ゾイの選択を待った。


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-PLスキュラ-
筋力24、大物喰らい、パリー・パリー……ゾイはすっかり立派な戦士ですね。
PLと違ってクロムは事情を知れないけど、お祝いがてら絡みに来ました!

模擬戦でも台詞の投げあいでも、どっちででもゾイと話してみたいですよ。

タイトル復讐の猛者クロムウェルとの再会
記事No12054
投稿日: 2018/06/13(Wed) 21:27:36
投稿者ゾイ
俺が物思いに浸っている間に、誰かに声を掛けられた。

>「いかがでしょうか」

ハッとなり、上げた顔を戻すとクロムウェルの旦那が葡萄酒を片手に話しかけてきた。

俺は驚き、クロムウェルの旦那の気配に気づかなかったことさえ恥じた。

顔に掛かった雫を手で拭いながら、俺はクロムウェルの旦那に話かける。

「おお、クロムウェルの旦那、久しぶりじゃないか!
 その大剣、旦那も俺と同じ大剣使いになったのか!
 俺の意見聞いてくれてありがたいぜ!
 それにしても、旦那の大剣、独特な形だな?
 名工が作った業物だろうな。
 かなり、金かかったんじゃないか?」

俺は正直嬉しかった。
初めての冒険から巨大蜘蛛退治といった事などで共に戦った仲間の一人だから。

この人やデュドネ、ジュリア達がいたからこそ、今の俺がいるといっても過言ではない。

「クロムウェルの旦那、こんな所で葡萄酒もなんだし、もうちょっと雨がしのげる所に行かないか?
 俺は蜘蛛退治の後にパダに一人で行ってきたんだぜ。
 途中で変なことに巻き込まれたというか、自分でのめり込んでしまったんだがな。」 

 俺はなぜかパダに行ったことをクロムウェルの旦那に話始めていた。
 これがクロムウェルの旦那の魅力なのだろか。
 いつも陰りがある表情が多いが、よく考えてみたら旦那の生き様など聞いた事がなかった。
 ぜひ、聞いてみたいものだ。
 だが、無理やり聞くと相手の心を傷つけることになるかもしれない。

 本人が口に出すまで、自分の話題を話すのも悪くない。

 話ができる人がいて良かった・・・心が落ち着くかもしれない・・・

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PLより

こきんでございます。

スキュラ様、ありがとうございます。

返事が遅くなり、すいません。

色々、祝っていただきありがとうございます!!

是非是非、会話しましょ。

模擬戦はやめましょうね。

どうもプレイヤー同士で戦うのあまり好きじゃないんで。

私事でPM8:00〜9:00頃からしか書けないときがありますので、返事が遅くなるかもしれませんがよろしくお願いします。

追記 クロムウェルさんが鎧を新調したと誤って書いてしまいすみません。訂正させていただきました。ごめんなさい。

【 投稿者修正】

タイトル雨の森の酒席
記事No12059
投稿日: 2018/06/16(Sat) 01:56:37
投稿者クロムウェル
参照先http://bbs.swordworldweb.net/pc-list/read.cgi?no=588
大分と年の差もあろう私とゾイだが、大の男同士という点では一致している。
その為だろうか私は、相手が自分と同じく、ある種の遠慮をしていることに気がつく。


> だが、無理やり聞くと相手の心を傷つけることになるかもしれない。

> 本人が口に出すまで、自分の話題を話すのも悪くない。

> 話ができる人がいて良かった・・・心が落ち着くかもしれない・・・


大きな身体が他人を脅かさぬよう。
低く太い声が怯えさせぬよう。
鍛えた剣が己に向くかと畏れさせぬよう……きっと彼もまた、
戦士故の気遣いをもって今までを生きてきたのだろう。
例えるならそれは、小さな友人を傷つけまいとする巨人の優しさだ。

私は剣を背負いなおし、若き巨人へと歩み寄った。
自らもまた、かつてそうであった者として。


「ではあちらへ。
 古びた猟師小屋があります」


快活なゾイの言葉には積もる話しもあるところだが、今は雨。
彼も言う通り、雨露をしのげる場所へ移るとしよう。
先に立ち、雨中を歩む。



..
...
....



「地場の猟師から、期間を区切って使わせてもらっています。
 さ、中へ」


狩猟が盛んになるのは晩秋から雪解けまで。
逆に言えばそれ以外、獣が仔を産み、育てる期間は森も閑散とするらしい。
稽古の拠点にと借りた猟師小屋へ、私はゾイを招き入れた。

雨具を脱ぎ、干し、普段集めておいた薪に火をつける。
初夏の頃とはいえ季節風の吹く今の頃は、油断をすれば風邪を引く。
戦う前に倒れては騎士の意味などないと、祖父からも厳しく言われたものだ。


「……私は元は騎士でした。
 こうして自分の面倒を自分で見ることも、恥ずかしながらこの数年。
 家を出てからのことでして」


街の酒場のような上等さなど望むべくもないが、
それでも保存食のいくつかをほどき、酒のアテにする。


「まずは一献」


素っ気もない木の椀に酒を注ぎ、肴とともに勧める。
かつて主家の騎士団に詰めた日々、ともがら達との昔を思い出す。


「剣を持つかは迷っていました。
 私は目の前で家族を賊に殺めさせた無能。
 敵討ちと意気込んでも、もはや自分は剣にふさわしからざる者ではないかと」


「しかしいつぞやのゾイさん、貴方の戦いぶりを見て、私は血が滾るようでした。
 資格の有る無しではなく、やはり私は剣が好きなのだなと……
 王都に戻ってからミストレス・マリーに紹介を請い、すぐに剣を仕立てました」


傍らに寝かせた剣、”毒喰らい”をわずかに抜き、刀身を見せる。
薪の揺らめく火に照らされて、柄頭の孔雀が羽根をきらめかす。

僅かな間を置き、再び剣を鞘へ。
そして並々と注いだ酒を、一気に飲み干す。


「……ふう」


王都の葡萄酒は美味い。
毎夜、妻子の流した血を思わねば、復讐の念すら忘れてしまいそうなほどに。


「パダに出張ったと、おっしゃいましたね。
 何かが起きたと見えます……剣にも、剣士にも」


呑んでいるかと酒瓶を向けながら、”血塗れの”と呼ばれた男へと問う。
雨中のゾイが抱えていた真紅の大剣は、しかし糸紡ぎの大蜘蛛の頃とは
なにかが違って見えたようにおもわれた。
単なる打ち直しという風には、どうも見えない。


「貴方が何に巻き込まれ、誰にのめり込んだのか。
 よければお聞かせください」


悪しき事柄でなければと。
そうでなければ、せめてこの若き戦士が乗り越えられる試練であればと。
私は雲の上、天上の星々へと祈る。


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-PLスキュラ-
返事が遅いって、そんな……こきんさんメチャクチャ早いじゃないですかーヤダー。
ではでは模擬戦はナシで、会話シーンにしてみました。

雨がしのげるところと考えて、ひとまず森の中の小屋をでっち上げました。
いや、街まで戻ってミノ亭でもよかったんだけど
なんだか雨の森の雰囲気が気に入っちゃって。

鎧はそうです、鎧じゃなくて鎧の上のサーコートでした!
いえーい悪根さんのオリジナルアイテムー。
お金はまた稼げばいいの精神で散財しておりますです。

大きく場面を動かしてしまって分かりづらいかなとちょっと不安。
もしそうだったらごめんなさい!
ゾイのお話を楽しみにしてますね。
スキュラでした。

タイトル回想
記事No12061
投稿日: 2018/06/16(Sat) 13:41:22
投稿者ゾイ
俺は雨の中、クロムウェルの旦那についていき、猟師の小屋に入った。
今は閑散期で猟師が使ってないので、借りているらしい。

どうやら、俺はすぐ自分の思ったことが顔にでるらしい。

中央の暖炉に火をつけ、クロムウェルの旦那が酒や保存食を用意してくれるのを見ていると、クロムウェルの旦那から切り出した。

>「……私は元は騎士でした。
> こうして自分の面倒を自分で見ることも、恥ずかしながらこの数年。
> 家を出てからのことでして」

クロムウェルの旦那が酒を勧める。

>「まずは一献」

俺はクロムウェルの旦那から葡萄酒の木の椀を勧められ受け取り、半分ほど一気に喉に流し込む。

 「旦那、いい酒じゃないか。騎士だったなんて気づかなかったぜ。よく考えりゃ、頭の回転も速いし、俺みたいな傭兵崩れの冒険者とは毛色が違うはずだな。」

>「剣を持つかは迷っていました。
> 私は目の前で家族を賊に殺めさせた無能。
> 敵討ちと意気込んでも、もはや自分は剣にふさわしからざる者ではないかと」


>「しかしいつぞやのゾイさん、貴方の戦いぶりを見て、私は血が滾るようでした。
> 資格の有る無しではなく、やはり私は剣が好きなのだなと……
> 王都に戻ってからミストレス・マリーに紹介を請い、すぐに剣を仕立てました」


>傍らに寝かせた剣、”毒喰らい”をわずかに抜き、刀身を見せる。
>薪の揺らめく火に照らされて、柄頭の孔雀が羽根をきらめかす。

>僅かな間を置き、再び剣を鞘へ。
>そして並々と注いだ酒を、一気に飲み干す。


>「……ふう」

俺はこの人の表情に陰があるとは思っていたが、家族が目の前で殺されるとは・・・だから復讐するためとは・・・

「家族を殺した賊とはただもんじゃないんだな?騎士のあんたが何もできなかったのなら・・・何か協力できることがあれば言ってくれ、俺も手伝うぜ!」

俺は続けて言う。

「旦那が俺に自分の過去を話してくれたから、俺の過去も言う。
 俺は小さな傭兵団出身で、その傭兵団で生活し、色々とあちこち行ったさ。
 ある時、竜と言っても小型のほうなんだがな、それとかち合って、俺達の傭兵団は壊滅状態。
 生き残ったのは、老兵と新米と飯炊きの家族たちだけさ。
 玄人の傭兵はは俺達を救うため、竜と戦って命を落としたんだ。
 俺なんか草の茂みに隠れて、ただ死んでいく仲間を見る事しかできなかったんだ。
 竜の強さに怯えてどうにもできなかったんだ。
 あれ以来、俺はいつか竜を倒して、さらに高みへと高みへと自分が強くなることを望んでいる訳さ。」


>「パダに出張ったと、おっしゃいましたね。
> 何かが起きたと見えます……剣にも、剣士にも」

>「貴方が何に巻き込まれ、誰にのめり込んだのか。
> よければお聞かせください」

俺はクロムウェルの旦那の目をしっかりと見て言う。

「最初はパダでは一般人の苦情を解決してくれとの事で、俺は遺跡の近郊で奇妙な二人組が出没しているのをやめるようにしてくれといった内容の依頼を選んだんだ。
近くの廃墟で張り込んでいたら、出てきたのが古い仮面をかぶってフードつきのローブ姿の盗賊と騎乗にいるようなスーツアーマーを着た鎧男と出会ったんだ。
最初は殺そうと思ったが、気を変えて、交渉するとすんなり分かってくれてな、彼らは近くに未発掘の遺跡があるからその休憩に廃屋を使っていたんだといったもんで、渡りに船とばかりに、俺も手伝わせてくれって言えばすんなり古い仮面の女、レンシーってんだが、あっけらかんと前衛が欲しいからよろしくってなって、俺も同行することになったんだ。
遺跡にはまあ、変なガーゴイルが居たが、そんなの一撃で砕いたぜ。
そして奥の部屋には魔法陣と魔法陣を守る守護者、死肉をつないだのっぺらぼうと戦うことになったんだ。
 なんとか苦労して、相手に深い傷を負わせたんだが、俺のミスで頭に魔法の曲刀の一撃を喰らって俺は気絶しちまった。
そのあと気づいたときには、背中に傷を負った鎧男、テッドっていうんだが、レンシーが俺をかばって守護者と戦っている間、俺を遺跡から引きずりだしてくれたんだが、レンシーは守護者によって死んでしまった。テッドも背中に傷を負った。
 俺が気づいたとき、テッドが全てを教えてくれたんだ。
 自分たちはジン、レンシー、テッドという三人組の冒険者だったと。
 そして、偶然遺跡を発見し、中に入ると、遺跡の罠にかかって魂が抜かれ、レンシーは人骨標本に、テッドはインテリアの鎧にジンは一番強かったらしいから守護者の中の魂として、三人の肉体は守護者の体の一部となったらしい。
 そして、レンシーとテッドは試行錯誤しながらなんとかジンの魂を解放しようとしていたところに俺が出くわしたって訳さ。
 話は戻って傷を治して再度、遺跡にチャレンジして守護者と戦った結果、奴を倒したんだ。そのとき魔法陣が光り、俺は危険を感じて、守護者が持っていた魔剣を使って魔法陣に傷を負わせると、魔法陣が静止したんだ。
 そしてその時、あちこちに転がっていたテッドの鎧やレンシーのこわれた標本、守護者から白い靄が現れ、一人は手を振り、一人は一礼し、最後の一人は拳を突きつけ、俺に敬意を表してくれたぜ。
 その瞬間、俺は涙が出ちまったんだ。
 自分でもわからなかったんだ。
 俺は手を振ってくれたのがレンシーで、一礼したのがテッドで、敬意を表してくれたのがジンだと思っている。
 その時、俺はレンシーが俺に何を求めていたのか、俺がレンシーに何を求めていたのかがしりたかったんだ!
 レンシー達の素顔なんて俺は一度も見たこともない。ただ、あの歯に着せぬ物言いと何か俺でも解らない感覚としか言えないんだが・・・ああ、それから魔法陣を切ったとき、守護者が持っていた魔剣が折れ、魔剣の呪いが俺のクリムゾン・ドレイクに乗り移ってしまったらしい。
 だが、俺は呪いを解かない。
 この大剣は大事に使っていく。
 これを見てくれ。」

 俺は自分のクリムゾン・ドレイクを抜き、大剣の刃を見せる。

「刃が赤黒く濁っているだろ?
 これが呪剣、クリムゾン・ドレイクの誕生さ。
 俺は三人の意思を受け継いだと思って、これからも生きて、生きて生き抜く。
 ただ、パダのお偉いさんが言うにはこの呪いは自分より強い敵と戦うとき、本来の魔剣と同じ効果が表れるらしいぜ。
 実際は使ってみないとわからないがな。
 それから遺跡は崩落して俺はため込んだ金でパリー・パリーを買ったのさ。
 お陰で俺の財布はすっからかん兎一匹ぐらいいるかなと思っていたんだが、その時、旦那と出くわした訳さ。」

椀に残ったに葡萄酒を飲み、喉を潤す。


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PLより

こきんです。

そんなに早いですか?(笑)。

クロムウェルさんの過去もゾイは知りましたし、共用BBSの一言メッセージで敵討ちだ!って書いていただければ、飛んでいきますよ(笑)!

スキュラさん、ちょっとどころかめっちゃ長くななりましたが、すんません。

もっと、会話楽しみましょうか?

えへへ、よろしくお願いします。

冒険の時はよろしくお願いします!

【 投稿者修正】

タイトル振り返って理解るモノ
記事No12062
投稿日: 2018/06/19(Tue) 22:44:08
投稿者クロムウェル
参照先http://bbs.swordworldweb.net/pc-list/read.cgi?no=588
>「家族を殺した賊とはただもんじゃないんだな?
>騎士のあんたが何もできなかったのなら・・・
>何か協力できることがあれば言ってくれ、俺も手伝うぜ!」


「……お気持ち、かたじけなく」


わずかに目を伏せ、謝意を示す。
仇は我が手でと決めてはいるが、それでもこうして述べてくれることが
私にとっては何よりの激励だった。

そしてゾイは自らについても語ってくれる。
彼は、”彼ら”は、竜とまみえたのだとか。


>ある時、竜と言っても小型のほうなんだがな、それとかち合って、俺達の傭兵団は壊滅状態。
>生き残ったのは、老兵と新米と飯炊きの家族たちだけさ。
>玄人の傭兵はは俺達を救うため、竜と戦って命を落としたんだ。
>俺なんか草の茂みに隠れて、ただ死んでいく仲間を見る事しかできなかったんだ。
>竜の強さに怯えてどうにもできなかったんだ。


「…………」


人智を超えて、あるいは人倫を超えて生み出された存在のうち、
美しく気高きものを幻獣・おぞましく忌まわしいものを魔獣と呼ぶ。
では竜はどちらであるかと言えば……彼らにとっての竜は、
まさしく魔獣であったのではないか。

傭兵団一つがまるごと餌食となったその出来事を、
だがすでに過去と割り切ってか、ゾイは淡々と話す。


>あれ以来、俺はいつか竜を倒して、
>さらに高みへと高みへと自分が強くなることを望んでいる訳さ。」


「……なりましょう、強く、強く。
 いつか、竜よりも」


本当に竜を超えられるかは分からない。
だが人の器は見ても話しても分からず、ただ水を注ぐことでのみ測られるという。

湛えた水を力とするか、溢れた水に溺れるか。
私は彼を、後者と賭けたい。







剣士の酒席はまだ続く。
雨の滴る音、薪の爆ぜる音、そしてゾイの語る声に、
私は盃代わりの椀をあおりつつ耳を傾け続けた。


>俺はクロムウェルの旦那の目をしっかりと見て言う。
>「最初はパダでは一般人の苦情を解決してくれとの事で……


パダでの出来事について、彼が話すことは長かった。
しかしそれも無理なきこと。
住民の陳情に応えた、ある種ありきたりな依頼は、
しかし奇妙な出会いを彼にもたらしたのだ。



遺跡(”墜ちた都市”だろうか)の周囲をうろつく怪しい二人。
仮面の盗賊レンシーと、マクシミリアンの男テッド。
事情を聞き、共に挑んだ遺跡内部での激闘と撤退。
そして犠牲……

雪辱を果たし別れたのち、彼は落涙したという。


「人の心はわかりません。
 ですが自分の心ならば、あるいは」


ゾイの佩刀、”紅竜王”にわだかまった呪いの色を眺めつつ、
私はそうつぶやいた。

自分の心こそ理解できぬものと世の賢者たちは言うが、
しかし、人生で最も長く付き合う”自分”であるからこそ、洞察に洞察を重ね、
いつか理解の辺縁にたどり着けるのではないかと、私はそうも思う。


「強くなるには生きねば。
 そして生きれば、貴方が知りたかった答えにも
 いつかまみえる事ができるやもしれません」


少なくとも私はそうと感じたのだ。

あの日、命奪われた妻と娘を、十数年を共に過ごした家族を、
やはり私は愛していたのだなと。


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-PLスキュラ-
やっぱり早い!
そして長い…めっちゃ長い!


こきんさんもゾイも、そうおっしゃってくれてありがたや。
またご一緒できる日を楽しみにしてますね。