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タイトル不吉の星(ある日、オラン湾岸にて)
記事No11946
投稿日: 2017/10/06(Fri) 20:14:08
投稿者シオン
野暮用でオランから離れていたが、ようやく戻ってこれた。
少し遅れてしまったが、夜の港へと葡萄酒を一瓶片手に向かう―――


そのまま海へと葡萄酒を一瓶捧げた


・・・オレはこの魔剣を使いこなせているのだろうか


前の所有者に想いを馳せ、夜空を見上げる。
すると夜空に一筋、星が流れるのが見えた・・・

・・・あれは確か、不吉を示す兆候の星


仲間達に何かあったのか!?


ざわめく心を抑え付けて、ただ夜空を見あげた

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PL
ガロームの一周忌に絡めたデュドネ生還おめでとう日記です

久しぶりに日常書いてもうたwww

タイトルきしべのうた
記事No11947
投稿日: 2017/10/07(Sat) 13:56:23
投稿者リュシート
「……眠れないのかい?」

 声はかけないでいようと思った。邪魔はしちゃいけないって。
 最初は。


 細い弦のようにうちふるえ、ざわめいているものはなんだ──
 岸辺に寄せる波の音、
 だれかの頬をつたうウンディーネのしずく、バンシーの声なき叫び、
 迷子のレプラコーン、おびえるシェイド、
 闇の空に消えてゆく一筋の光──


「あんたほどの精霊使いが、そんなに心をざわつかせて、
 こんな真夜中にうろつきまわるなんて、シオン──」



 ……でもそれだけ言ってあとはなにも尋ねずに、おれが歌でも歌おうか、と小さくささやいた。



 そしてかなでるは、短くて易しくて古めかしいワンフレーズをただくりかえす、子守歌。



   ──おゆき   おそれることなく 
     ────みながいつか かえる きしべに



 ……眠れないこどものための歌じゃなく、
 二度と戻らぬ者たちに向けての鎮魂歌を──。

タイトル宵闇の鎮魂歌
記事No11950
投稿日: 2017/10/07(Sat) 23:59:34
投稿者シオン
> 「……眠れないのかい?」

「・・・リュシート」

ここ、オランで一、二を誇る詩人の甘い声が、宵闇に響き渡る。
どこか躊躇をしているようなその声は、普段よりも魅惑的な音色を奏でていた・・・

そんな音色に包まれながら、俺はただ夜空を見上げるしか出来なかった

寄せては帰る波の音が水面の向こうへと吸い込まれるように
また、夜空に向けて吸い込まれるように

 あたりにざざんと静かに鳴く

> 「あんたほどの精霊使いが、そんなに心をざわつかせて、
>  こんな真夜中にうろつきまわるなんて、シオン──」

俺はそっとリュシートの方を見て―――

その双眸に吸い込まれるように、何も出来なくなった


> 歌でも歌おうか


そう囁く声に抗う術は無く、ただ一度小さく首を縦に振る。
柔か、何処か懐かしい歌声が、そっと周囲を包み込んでいた・・・


>    ──おゆき   おそれることなく 
>      ────みながいつか かえる きしべに


思い浮かぶのは、あの誇り高き海賊の今際の光景。
そして、何処か見覚えのある背中。

あの背中はもしかして・・・

タイトル
記事No11952
投稿日: 2017/10/10(Tue) 09:33:41
投稿者リュシート
 
 
「──シオン」


 ハープの和音と静かな歌は、ふっつりと唐突に途切れた。

 おれが右手でふいにシオンの腕をぎゅっとつかんで引っ張って、そして名を呼んだから。


「シオン、シオン、……」


 そしておれは、もの憂げにとり澄ました詩人顔なんかすっかり忘れて、困りはてたような、混乱しきったような、必死にすがるような顔で、シオンをのぞきこんだ。──とっさにそうするしか思いつかなくて。


「……なにか見えたかい?
 でも、そっちはあんたの世界じゃない、あんたはまだ行っちゃだめだ。
 あんたまでおれを置いてっちゃだめだよ、シオン」


 やれやれ、そいつらをちゃんとシオンに見送らせるための歌だったのに、おれとしたことがとんだヘマだよ、まったく。
 だから、ヘマついでに白状しようか。
 もう一度おれを見たシオンを、逃がさないように強引に捕まえたままで。


「おれはねえ、レクイエムは苦手なんだ。こんな古くて短いの、ワンフレーズしか知らない」

 だって、エルフだからねえ、キリがないだろう? にっこりと笑って。

「そしてね、おれのこの歌にはジンクスがあるんだ。
 虫の知らせだの胸騒ぎだのを感じて、おれが殊勝な気持ちでこの歌を捧げると、どういうわけかそいつは黄泉の国からあわてて帰ってきちまうのさ。
 ひとりやふたりじゃないんだ、おかしいだろう?」

 なにしろ、このおれ自身が、まったくその通りの目にあったこともあるしね。


「……だから、お望みならいつか、あんた自身に捧げてやってもいいよ。
 でもそれは、いまじゃない」

 ほら、おれのくだらない話、ちゃんと聞いてるかい? ちゃんとこっち見て?




 海は変わらず、真っ黒い闇の中、ひたひたとのたっている。

 あんたがここにいたい間は、おれが付き合うから。
 
 そのかわり、シオンの腕をぎゅっとつかんだままで。
 不自然かどうかなんてなんにも気づかないふりでさ。



──────────────────────────────────────────
ロビン@PL:
くぅぅっ……子鹿のようなシオン反則です……

腕ひっぱってもこっちに見向きもしなければ、本文修正します。(念のため)
よしそのときはガチ勝負だ、食うか食われるかだ、ふふふ。

ガロームはともかくまだこのままではデュドネが帰って来られない流れ(笑)

【 投稿者修正】

タイトル幻惑
記事No11959
投稿日: 2017/10/12(Thu) 09:18:51
投稿者シオン
 
> 「──シオン」

リュシートに名を呼ばれ右手を掴まれた感覚で、俺は我に返る。
さっきまではまるで海の底へと吸い込まれていくような、思考に靄が懸っていたような・・・

心配気なリュシートの表情が、俺の眼に映った。


> 「……なにか見えたかい?
>  でも、そっちはあんたの世界じゃない、あんたはまだ行っちゃだめだ。
>  あんたまでおれを置いてっちゃだめだよ、シオン」

「すまない。あの船での出来事が見えたような気がしてな。

 ・・・レプラコーンにでも惑わされていたらしい」


あるいは、歌声で魅了して海の底に招く伝説の魔女――

目の前の森妖精の歌声もそれ程までに魅惑的ではあった―――


> 「おれはねえ、レクイエムは苦手なんだ。こんな古くて短いの、ワンフレーズしか知らない」

リュシートはにっこりと笑って続ける
>
> 「そしてね、おれのこの歌にはジンクスがあるんだ。
>  虫の知らせだの胸騒ぎだのを感じて、おれが殊勝な気持ちでこの歌を捧げると、どういうわけかそいつは黄泉の国からあわてて帰ってきちまうのさ。
>  ひとりやふたりじゃないんだ、おかしいだろう?」

> 「……だから、お望みならいつか、あんた自身に捧げてやってもいいよ。
>  でもそれは、いまじゃない」

俺達とは違う時間の流れに居る存在。
彼が呼び戻したのは果たして何人いるのか。
そして、呼び戻せなかったのは、その何倍なのか・・・

「・・・なら、是非ともその時が来たらご自慢のレクイエムを聴かせてくれ」

リュシートに掴まれた腕はそのままに。
しばらく波の音に身を委ねる。


星のいつの間にか形を変えて、不吉を齎すものは何処かへと消えていた


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PL
そろそろデューちゃんに帰ってきてもらう為にこの辺りが落とし処でしょうかw