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フェーズ5 ( No.68 )
日時: 2016/08/29 22:31:42
名前: あまとう@GM 

-セーフ-
セーフではラディックが、疲弊した体を休めるようにサンゴの収集にあたっていた。
荒波とはまた違う、穏やかな時間が流れる浅瀬でのサンゴ収集はラディックに海とは何かを考える機会を与えるかもしれない。
そして、海は考える機会とともに僅かな出会いも与えてくれるのだ。

>「よう、お嬢ちゃんあんたもサンゴ大会参加者かい?」

>「俺も参加者なんだがよ、鮫に好かれちまってサンゴを探す暇もなかったぜカッカッカ!」

ラディックが声をかけたのは白いワンピースとリボン付きの麦わら帽子が可憐な印象を与える少女、ピース。
ピースはラディックの声掛けに、にこやかに応える。

「あ、こんにちは!
 はい、私も参加者なんですっ
 …ってサメ!?だ、大丈夫ですか?」

ピースは、ラディックがサメと戦ったことを明かせば心配そうな表情を見せる。
だが、同時にラディックはピースから尊敬の眼差しで見られていることに気がつくだろう。

「でもサメと戦えるなんて勇敢なんですね!」

勝つことが出来たかはともかく、ラディックがサメと勇敢に戦ったのは事実。
不自由する身体のピースにとっては、それはとても偉大な行為なのだ。

>「この辺は浅いからサメの心配は無ぇが足滑らしたら大変だ。
> もしよかったら一緒にサンゴ探さねぇか?」

そんなラディックの提案はピースにとっては渡りに船だった。

「わ、本当ですか?
 ではお願いします!」

そうして共にサンゴを集め始めた二人だが、突如背の高い波が浅瀬にやってくる。

「きゃっ!
 ふぅ、びっくりしました」
 
と言っても波の高さはたかが知れているため、特に危険というものでもない。
しかし、その波はあるものを二人の前へと運んだのだ。

「…あれ、これはヒトデさん?
 な、なんだかすごくおっきいですけど…」

波打ち際に流れ着いた一つのヒトデ。
だが、ふつうのヒトデと違い何やら威厳のようなものを感じさせる風貌をしている。
そのヒトデを観察していると、ラディックは脳内に何かの声が響くのを感じるだろう。

(挑むものよ…汝に幸運の導きを授けよう)

重厚に響くその声とともに、ラディックはなにか力が自身にみなぎるのを感じた。

「あっ、あれは『エルダーすべすべまんじゅうまる』でねぇか!?」

「ホンマや!浜に時折現れ漁師に幸運をもたらすという伝承のある伝説のヒトデ!
 『エルダーすべすべまんじゅうまる』がこんなところにおるなんて!」

少し離れたところでエルフの二人組が妙に説明口調で流れ着いたヒトデを見て興奮している。

にわかには信じられないものを見たと興奮する二人組と、
困惑するピースを尻目に、大きなヒトデは再びやってきた大きな波に流され海へと消えていった。

「ま、まつんやー!まんじゅうまるさーん!」

「オラたちにも幸運を〜!」

二人組は、消えていったヒトデを追って海へと消えていった。

「な、何だったんでしょう?」

原理はよくわからないものの、ラディックはサンゴを回収する時普段より多く発見することが出来そうだ。
そしてその効果は実感として確実に現れている。



二人でサンゴを集めること10分ほど、それは突如として現れたのだ。

「あ、アレを見て下さい!」

ピースが指差すのはデンジャースポット、そのデンジャースポットに
なんと巨大な竜巻のようなものが発生しているではないか!

巨大な竜巻は海水と共に、流れ着いたサンゴを貪欲に吸い上げている。
そしてその竜巻の中心には…ある漢のシルエットだけが浮かび上がっていた。

そう、サンゴマンだ。

-デンジャー-
時は遡り、フェーズ5開始から8分が経過した頃。
ここに集いしマーシャ、リノ、エリルやルピナス、ソニアは依然としてサンゴをかき集めていた。
ルピナスとソニアは途中で波に流されてしまったものの、残った3人は優勝へと大きな一歩を踏み出していた。

このまま行けば、おそらく優勝は冒険者。
その中でも一際かき集めたマーシャのものとなるだろう。

誰もがそう思った、その時だった。
突き刺すような視線にその場の誰もが振り返る。

そう、奴が現れたのだ。

荒波がぶつかり波しぶきを上げる岩の上でサンゴマンが両腕を組み、
冒険者達にそのあまりにも威圧的な視線を送っていたのだ。

「時は来た」

その呟くような言葉にまるで海が恐れをなしたかのように水温が冷え返り
アレだけ荒れ狂っていた波も、不気味なほどに凪いでいる。

何かが始まる、この場に居た全員がそれを本能で理解する。

サンゴマンが跳ぶ、まるで芸術のように美しく荒々しいダイブで海と一体化を果たした。
そしてその大地を支える右手を、海を制する左手を、まるで大の字になるかのように広げたサンゴマンは、
雄叫びとともに『回転』を始めたのだッ!

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

両手を荒れ狂う海その元としたサンゴマンが回転すれば、海もそれに応えるかのように回転するッ!
その回転速度は一周ごとに飛躍的に加速していき、そして!渦潮が生まれた!

サンゴマンは前回大会においても、この技を使用した。
たしかにこの技は強力、しかしサンゴマンは同じ技を何度も使うような男であったろうか?
いや、違う!当然違うのだ!この技は、この渦潮は布石…!その真の技は今ここで産声を上げる!

サンゴマンはその腕を、大地と海を表すその腕を天に掲げた!
なんと暴虐的で、恐ろしく偉大な光景なのだろうか!
渦潮を生み出した回転が、ついに大気までも支配し巨大な竜巻を生み出したのだ!
サンゴはまるでそれが正しい姿であるののように竜巻に吸い込まれ中心点であるサンゴマンへと向かってゆく!

そのふたつの拳の間に生じる真空状態の圧倒的破壊空間はまさに歯車的珊瑚嵐の小宇宙!

これが、これこそがッ!

「奥義・神 珊 瑚 嵐 !!」

とてつもない数のサンゴがサンゴマンへと集まっていく!
何ということだ、アレだけの数が全てサンゴマンのものとなれば、
この場の全員のサンゴ量を容易く上回ってしまうだろうッ!

チャンピオンの名を、栄光あるその名を
敗北したとしても汚すどころか誇り高いものへと昇華させるサンゴマンの奥義『神珊瑚嵐』。
もはや、その暴虐と芸術と技術の融合である嵐に立ち向かうものは居ないのだろうか。

いや居た、サンゴマンの勝利を見逃すまいと、猛る漢がここにも一人居たのだ。

「待ってたぜぇェェェ!サンゴマン!てめぇがその技を使う瞬間をな!」

モヒカンであった。
モヒカンもまた、この時を待っていたのだ。

だが、冒険者達は思うだろう。
今更この男が出たところで、何が変わるというのか…と。

しかし、モヒカンの目は、あのギラついた眼差しはまるで別人のように澄み切ったものだった。

「サンゴマン!てめぇは覚えてないだろうが、俺は貴様に敗れた第四回チャンピオン!
 俺の輝かしい人生を、井の中の蛙でしかなかった俺の世界を打ち砕いた借りをここで返すぞッ!」

モヒカンは陸地から、海上をまるで走るかのように移動する、
実際のところは、子分が海で一列に並んで腕を土台にしているだけなのだが。
モヒカンの表情は覚悟に満ちたものだった。

「あの時俺はてめぇに全てを奪われた!そして俺は勝者だけが全てなのだと悟った!
 だから俺は卑怯なことでも、どんなことだろうとやってのけてきた!
 そしてこの瞬間も、たとえ命を落とすことになろうとだあぁぁぁぁぁぁぁ!」

モヒカンはあろうことか、雄叫びのままに神珊瑚嵐へとその身のままに飛び込んだッ!
当然!巻き上げられたサンゴがモヒカンの肉体に、放たれた無数の矢となって襲いかかる!

「うぐぁぁぁ!?」

巻き上げられたモヒカンの肉体が瞬く間に悲鳴を上げる。
だが、モヒカンの闘志は揺るがない、なんとサンゴに打ちのめされながらも
同じく巻き上げられたサンゴをかき集めているではないかッ!

なんと見上げた貪欲さ!
これが勝利を求め、全てをなげうった男の最後の生きざまなのだ!

嵐に巻き上げられ、傷だらけのまま海面へと投げ出された漢は、不敵に笑っていた。

「へ、へへへ…くそったれ…!あのマーシャとか言うガキから奪った分を合わしても全然足りねぇじゃねぇか…
 こ、ここが俺の限界か…ここまで破ってこの体たらくたぁ情けねぇ…だがな…!一矢…報いてやったぞ…!!」

「ヒャ、…ひゃ…ひゃっは…あぁ…」

モヒカンはサンゴの袋を両手に抱えたまま、そのまま気絶してしまった。

サンゴマンはその姿を見て、神珊瑚嵐を解除する。
これが武術であれば、無傷のサンゴマンと全身に負傷をしたモヒカン、勝者がどちらかであるかはわかりきっていた。
しかし、サンゴマンが残した言葉は意外なものであった。

「…見事だ」

短い、たった一言の言葉。
だがそれが全てだった。

サンゴマンはそのまま陸へと引き上げていく。
それと同時に、トコナッツの声が再びビーチ全体に広がった。

「終了!皆様お疲れ様でした!
 会場に来てサンゴを納品していただき次第、結果を発表させていただきます!」

長い戦いが、いま終わりを告げた。

=======================
GM・フェーズ5終了!
これにて競技は終了し、会場にて集計が始まります。
勝利者は誰なのか!それは翌日の結果発表進行で記述します。
(RPに力を注ぎすぎてこのまま書くと、詰め込みすぎになるため)

なお、翌日に続きを投稿しますが
今回の分の投稿に反応したRPを行うのはOKですー
次回進行に繋げる形であれば、会場で結果発表を待つRPでしめるのが流れとして綺麗だと思います。

なお、今回で気絶してしまったソニアも
問題なく治療を受けて結果発表に参加可能なのでご心配なく!

【2016/08/29 22:32:29 投稿者修正】