投稿者: ラティーナ・ルベライト
私が手を繋いだ時、ハクさんが小さく笑った様な気がした。何を思って笑ったのかなんて私は知らない。いや、知る由がない。自然と首を傾けて何故だろうと思った。
そんな私に気がついたのか彼は
>「いや、手を引かれるなど幼い頃の親以来だと思ったら、少々懐かしくてな」
え?親以来で私が…は、初めて!?
彼の言葉に今日何度目かわからない体の火照りを感じた。手を離しかけたが彼が慌てたように手を繋いでくる。それも指を絡ませるように。
>「離さないでくれ。店まで案内してくれるんだろう?」
「は、はい…」
返事をするのがやっとだったけどようやく落ち着いてきた。
歩き始めて少し経った頃、ハクさんがふと問いかけてくる。
>「ご両親はこの辺りにお住いなのか?」
「そうですね、商店街から近いここら辺に両親と3人で住んでますよ。」
問いに答えると、返答を確認して、私はまた私自身の話を戻す。
蛮族に襲われた話をした時は自分自身でも分かるくらいに少しだが声が震えていた。トラウマって物は完全に消え去るまで時間がかかるんだなって改めて実感した。
その話を聞いた時、彼は少し驚いたような表情をしたようだ。そんな体験をしたのに明るく振舞っているのだから意外と思われるのも無理もない。
>「……その、冒険者の男には、俺も感謝しなければいけないな。おかげで、今、ラティとこうしていることが出来る」
繋がれた手はとても温かい。先程の寒さはどこかへ行ってしまったか分からない程に、彼の手から僅かだが力を入れたのを感じ取れた。それのお返し…とは言わないが私も握る手を少し強めに握る。
>「しかし、贈り物とは、いいな。俺も何か贈るか。荷ならば拒まれることもないだろう」
とても小さな呟きだったが、獣の耳はそれを聞き逃さない。しかし、これは聞き返しても良いのでしょうか?
>「すまん。気を使わせてしまったな。大丈夫だ」
彼が歩みを止め、それにつられて私も歩みが止まる。彼は私の髪をゆっくりと撫でる。
「ハクさん、私の髪を撫でるのそんなに好きなんですか?」
少し呆れ気味に言ってしまったが、実際のところどうなのか気になるところではあった。
>「そうだな……楽しい話にはならないかもしれないが、俺のことも聞いてくれるか」
再び歩き始め、ハクさんはいつも通り淡々と自分自身について話し始める。
出身は未開の地にある閉鎖的な部族であり、奈落や蛮族との戦いは常であること。
冒険者になるまでの私とは真反対の生活を送ってきたことがわかる。それだけで体が震える程いたたまれない気持ちになった。
そして本題である彼の目には魔法が掛けられており、『剥奪の紋』と呼ばれているらしい。
解呪方法は今の所見つかっていないらしい
私はその事を聞いて改めて彼の問題を解決する手伝いがしたいと思った。
そこでふと思った。
「そう言えば、ハーヴェスに来てからどこで寝泊まりしてるんです?あ、いや…故郷に帰れないだけであって宿とか普通に大丈夫な感じなんですかね?」
少し拙い考察を出しつつ、彼の『剥奪の紋』の効果について考えて見たが、正直私にはわからない。多分ハクさん自身も詳しくは分かっていないのであろう。
私は話を切り、別の事について問う。
「ハクって名前は偽名だったんですね…」
彼は表情はあまり変わらないがすまないと言っているような感じがする。
「まぁ、別に良いんですけどね!私の中じゃ、ハクさんはハクさんなんです。」
そう言うと私は彼に背を向け、手を引きながら前を歩く。そして数歩進むと止まって彼の方に自然溢れた笑顔で向き直り、
「とは言っても今更本名を聞いたとしてもそっちでは呼ばないですけどね!」
そして私は繋いだ手を顔に近づけ、彼の手の甲に軽く口付けをする。終えて彼に顔を向けて
「髪のお返しです。」
と悪戯っぽく笑う。
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(PLより)
製糖製造機に成り果てましたw甘過ぎて糖尿病になりそうですはいw
愛が詰まってればそれでいいのです。てぇてぇはPLを救うのです。
これを書く為に仕事を犠牲にしてきましたw←ダメな人
アイデアが降りてきたからね仕方ないね(殴)