[41] 新米冒険者から先輩冒険者へ

投稿者: ジョシュア・コールマン
http://bbs.swordworldweb.net/bbs2.5/pc-list2.5/patio.cgi?read=50

 人生とはわからないものだ。

 15歳で魔術師ギルドに入り、18歳で導師号を取得して結婚し、4人の子供に恵まれて、以降は特に大きな成果を上げることもなければ失敗をすることもなく真面目に働き続けて50年。
 常に他者との衝突を避けて無難に平穏に生きて来た。
 そんな私が、これまでの生き方の対極に位置するような『冒険者』などになるなどと、誰が予想できただろうか?
 65歳にして冒険者になろうとした私を、息子や孫、同僚や生徒達、皆が心配した。
 長年連れ添った愛する妻を亡くしたことで、気が触れたか、ボケたか、自暴自棄になったかと思われたのだ。
 そう思うのも無理は無い。
 私自身も、自分の選択に驚いているのだから。
 3年前の自分に「君は冒険者になりますよ」と教えてあげたとして、間違いなく信じはしなかっただろう。
 ならばなぜ冒険者になどなったのか?
 それほど深い理由があったわけではない。
 ただ、息子たちが自立して出て行き、妻もいなくなって、すっかり広くなってしまった屋敷に自分一人だけになったことで「何か新しいことを初めてみようか…」とふと思いついただけなのだ。
 そして、今となっては遠い昔、まだ結婚する前の頃に、友人から一緒に冒険者にならないかと誘われたことを思い出した。
 その時は、妻に求婚することだけを考えて努力を続けていた身だ。断ってしまった。
 しかし今ならできるのではないか?
 私が死んでも困る人は…まあ、今でも立場上それなりにはいるだろうが、そこは私の代わりの誰かでどうにでもなるだろう。
 亡き妻も、自分が死んだことで私が悲嘆に暮れているよりは、前向きに生きることを望んでいるはずだ。
 彼女はそう言う人だ。だから好きになったのだ。
 そうして私は冒険者ギルドの扉をくぐった。


 そこは予想通り、いや、予想以上の危険な世界だった。
 凶暴な蛮族、幻獣、魔神にアンデッド。
 あらゆる『敵』が明確な殺意を持って私に襲い掛かり、それに私も持てる全力を振り絞って対抗する。
 そして敵を倒し、勝利することで生き延びる。
 得られるのは、金銭と名誉と、そして得も言われぬ達成感。
 なぜ命を危険に晒してまで冒険者などするのか、とても理解などできなかったのだが今ならわかる。
 冒険者になって2年が経過したが、意外にも私はまだ生きている。
 そしてまだ辞める気にはなっていない。
 たった2年と言うべきか、もう2年と言うべきか、これまでの人生の中で、最も濃密な2年だったのは間違いない。
 その2年で、今までの自分がどれほど狭い世界で生きて来たのかを思い知らされた。
 魔術師ギルドの図書館に篭り、あらゆる書物を読み耽ってきたが、そこで得られた知識などこの世界のほんの一部に過ぎなかったのだ。
 知っているつもりで知らなかったこともある。
 生まれた時から裕福な家庭で育ち、同僚や生徒にも貧しい者などまずいない魔術師ギルドで働いていると、この世界には、いや、同じこの街にだって今日の糧にも困るほど飢える人がいることなど知識として知ってはいても実感はしていなかった。


>それにしても、本当にお腹がペコペコです。あっ、あそこに生えてる草、食べられるんじゃないでしょうか・・・?


 そう、今まさに冒険者ギルドの近くの道端に生えている草をジッと見ている少女のような…
 これまでの自分ならそんな少女に気を取られることもなく歩き過ぎていたことだろう。
 おそらくこの街の住民ではないだろう。
 かなり苦労して長旅をしてきたのだろうと思わせるその姿は、見ていて痛々しい。
 旅をするのに最低限の装備は、経験によって無駄を省いたというより生き延びるためにギリギリまで追い詰められて削ぎ落された結果だろう。
 顔色も悪く、栄養状態が足りていそうにない。
 こういった観察眼も、冒険者になってから磨かれたものだ。
 私の予想が外れていなければ、今あの少女はかなり飢えていて、道端の草を食べかねない。
 もちろんそれ自体は悪い事ではない。
 食べられる野草はたくさんあるし、私だって食べたことはある。
 まあ、お坊ちゃん育ちの私は、店で売っている物しか食べていないが…
 問題なのは、今少女が見ている草が毒草だということだ。
 だが、こういう時にいきなり「その草は食べられませんよ」などとストレートに指摘してはいけない。
 私の予想が外れて、食べるつもりなど無くただ花を見ているだけだったとしたらとても失礼になる。
 他者とぶつからず、人間関係ではなるべく摩擦を起こさないように生きて来たが、それは冒険者になってもなるべく続けるようにしているのだ。
 むしろ命がかかっている冒険者だからこそ、そういうことが余計に大事になっているような気がする。

 さり気なく少女の横に並ぶ。
「おや、こんなところにムラサキケマンが咲いていましたか。綺麗ですね」
 少々わざとらしい独り言を言ってから、少女の横顔を見る。
 遠目には人間かと思ったが、髪飾りなどではない頭の白い花がその少女がメリアであることを教えてくれた。
 この花はコデマリ…いや、纏まって垂れ下がって咲く形は同じシモツケ属のユキヤナギかな?
 …いかんいかん。そんなことに気を取られている場合じゃない。
「おっと失礼。あなたの頭の花も綺麗だったものでつい見惚れてしまいまして。気を悪くしたなら申しわけありません」
 帽子を脱いで頭を下げる。
『やたらと若者と話したがる年寄り』のフリをして…いや、フリではなく実際その通りか。
 大人しい魔術師ギルドの生徒達よりもエネルギッシュな冒険者の若者たちと話していると、自分も若返ったような気分になってくる。
 若者との何気ない会話も楽しいものだ。
「ひょっとしてお嬢さんも冒険者ですかな?」
 あるいは冒険者志望か。
 もしそうなら、先輩冒険者として、今度は自分が案内するべきだろう。
 もっとも、たった2年の先輩だが…



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PL

 65歳になって魔術師ギルドの先生&司書から思い切った人生転換をしたお爺ちゃん冒険者です。
 ようこそ冒険者の世界へ!

[40] お腹が空きました。野草以外のものが食べたいです

投稿者: フィニア・S・ツンベルク
http://bbs.swordworldweb.net/bbs2.5/pc-list2.5/patio.cgi?read=85&ukey=0


 やっと。やっとです。ハーヴェス王国の街並みが見えてきました。
故郷の里を放り出されて何日になるでしょうか。路銀はとうの昔に尽き果てて、売るに売れない必需品と下着と毛布と……聖印しかもうてもとに残ってはいません。
 お腹が。お腹が空いて空いて空いて空いて空いて……もう倒れそうです。とってもいい匂いがします。そういえば、ここは港町だってお母様が言っていましたっけ。これが海の、しいてはお魚を焼いている香りなんですね。

 ……でも、私もう、お金がないんですね。道中の森で採取した薬草とか、茹でて食べた魔物の卵の殻とか、なんでもいいから換金して食いつながないといけません。このままだと干からびてしまいます。干しメリアなんてグリフォンも食べないですよね。


 ………あ。もしかしたら、あれって冒険者ギルドじゃないですか!?
 あぁ、まだ神々は私を見捨てていなかったのですね。お父様からから聞いた気がします。冒険者ギルドで依頼を受ければ、くいっぱぐれなくても済む、って。さっそくいって見ることに致しましょう。

 それにしても、本当にお腹がペコペコです。あっ、あそこに生えてる草、食べられるんじゃないでしょうか・・・?

[39] 水のトラブル(1/9・夜 温泉)

投稿者: ペシェ
http://bbs.swordworldweb.net/bbs2.5/pc-list2.5/patio.cgi?read=66&ukey=1

寒い冬、皆さまいかがお過ごしでしょうか。MAGIです。
ご存じでない方のために説明いたしますと、ルーンフォークのペシェが所有するマギスフィアにインストールされている、サポートAIです。
本日、ハーヴェスにて事件がありましたのでご報告申し上げます。
いえ、事件がありましたというのは不適切かもしれません。それを起こしたのは、他ならぬ私の主なのですから。



夕方。私はいつもどおり、小物入れの上でくつろいでいました。帰宅すると外した私を床からおよそ1mほどのその場所に置くのがmasterのルーチンです。
masterは着替えの用意をし、鼻歌混じりに浴室に消えていきました。あの人はあれでもルキスラから派遣されてきた公務員として、それなりに良い生活をしているので、家にいるときは毎日入浴します。
しかし、その直後に聞こえてきたのは悲鳴。そしてバタバタと騒がしい音がしたかと思うと、ややあって、濡れた髪にタオルを乗せたmasterがガタガタ震えながら出てきたのです。
「MAGI、お風呂直せますか?」
無理。直せる場合もあるけど、どちらにしろあなたでは権限が足りません。

そうして私たちはハーヴェスの下町にある、温泉施設へと出向いたのです。

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「男性1人です」

数枚の銀貨を置き、masterは脱衣所に入っていきます。
「はいはい」と軽く流していた受付が、一瞬遅れて驚いた顔をするのが見えました。私の視界は広いのです。
脱衣所の入り口にかけられたカーテンをくぐると、室内が一瞬ざわつきました。そりゃそうだろうな。
親切な青年が「お嬢ちゃん、ここは男湯だよ」と声をかけてくれますが、masterは「男性ですからご心配なく」などと涼しい顔で答えます。またざわつきます。
ここではコインロッカーという、銀貨を1枚入れると鍵をかけることができる箱に、手荷物や脱いだ衣服を預け入れておくそうです。
ちなみに、入れた銀貨は帰りに返却されるそうですのでご安心を。今の文明もなかなか面白いものを作りますね。
手近なロッカーの前に立ち、まず私をその中に置くと、masterは服のボタンに手をかけます。ざわつきから一転、緊張感のある静寂が場を満たしていますが、そんなことは意に介さず留め具を外していき、スルッとワンピースが床に落ちて、最高潮に高まった緊張は、ワンピースの下に肌着を着ていることがわかると、落胆とも安堵ともつかず少しだけ弛緩しました。
次に肌着の裾に手をかけると、緊張感は再び高まっていきます。ここまで張り詰めた空気は冒険中でもあまり触れることはありません。
ここから先は、申し訳ありませんが記録に残すことはできません。私の上に脱いだ衣服が被せられたので、この先は観測できなかった。ということにしておいてください。
少なくとも、騎士団が出張って来るような大事件は起きませんでしたので、その点はご安心ください。

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「温泉上がりはこの冷たいカフェオレを飲むものだそうですよ」

ほかほかのmasterが番台に銀貨を支払います。
容器に入った自称カフェオレは、なんだか安すぎてちょっと不安になりますが、masterは意にも介さず蓋を開け、ぐびぐびと飲み干していきます。
片手でビンを持ち、空いた手を腰に当てるポーズは、この浴場の作法なのだとか。
一息にビンを空にすると、masterは「ぷはーっ」とわざとらしく息を吐きます。これも作法なのだそう。

帰り道。湯冷めしないようにと選んだ厚めのコートは、上気した体には少し暑くて、顔に当たる寒風が心地良いなどと、masterは饒舌に語ります。

『よほど楽しかったのですね?』

皮肉交じりに私が尋ねると、masterは少し考えて。

「そうですね。少し遠いのが難点ですが、機会があればまた来ましょう」

機会が訪れないことを願います。

[38] 冬に思う(11月上旬 自然公園)

投稿者: フロワレア

10月を過ぎ11月ともなると風は青い色を深め群青の吐息で通りを歩く諸人の肌を刺す。
まだ、空から白い妖精たちが訪れて居ないというのに気の早い女王のため息に通りを歩く人たちはすっかり疲弊してる様に見えた。

夏に咲いて日差しに背伸びする私にもこの季節は辛く暗い気持ちが心をに影を落とす。
ああ、あと何回私は春を迎えられるのだろう。
白く染まり出すこの年末は私にとっては死への一里塚でもあるのだ。

「はぁー」

息を吐いて手を温める。手袋なんてしない。
だってそんなものしたら絵が描けないから、でもかじかんだ手でも筆は踊ってくれない。
街の喧騒は暮れる年月の悲しみを振り払うかのようににぎやかだ。
誰も彼もが冬にそっぽを向いたからこんなに女王は憂鬱気なんだろうか?
そんな彼女に貴女を見ている人もいると告げる様に私は人混みは離れ先へ先へと進んで行く。
決して離れすぎないように、彼女の少し後ろを歩いて。
気が付けば周りに色は無く薄れていく秋の七色が私を見送っていた。

>「うーん…何を編もうかな〜?手袋?いや、やっぱりマフラーかなぁ?」
>「さてと、どんなものができるかな?」

ふと、豊かな稲穂の色が冬に混じる。
ちょっとふんわりして、優しい音色。
おや、此れは。奇妙な偶然もあった物だと私はその狐さんに声をかけるのだ。

「ラティ、ちーすちすちす。
此処であったが世界終焉、縁の触れ合うも淵の内。
そんなところで何してるの?」

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PLめぐり
ダイナミック温度差アタック!を食らえ!

[37] 冬の訪れ(11月上旬 自然公園)

投稿者: ラティーナ・ルベライト

「寒くなってきたなぁ〜」

秋の残暑が過ぎ、冬の訪れを感じ始めた。今日この頃。私は手を冷やさないように両手を擦り暖を取りながら、今日も今日とて商店街を手提げ袋を提げて歩く。
今日はお店は定休日なので、家でのんびりもいいですが、外に出てのんびりするのもいいなと思い、近所の商店街を歩いているところです。
商店街を歩いていると、商店街の人たちや冒険者の視線が自然とこちらに向く。
何か恥ずかしく感じちゃうなぁ…
誕生日を迎えたと同時に冒険者ランクを【センチネル】に昇格して一層、私を見る目が羨望とか尊敬するような眼差しでちょっと気苦労しそうです。


冒険者として憧れられるのは悪い気はしないけどね。
でも、私は私。何ですから。
冒険者じゃなかったらただのカフェの店員の一人でただの小娘程度でしょう。
それに……冒険者にならなかったらいろんな人と知り合うこともなかった。


「…でも、稲荷姫って呼ばれるのは恥ずかしいな…」

誰にも聞こえないように呟くと溜息を一つ吐く。
冒険者になってよかったことを思い返すけど、実力に伴った冒険者には自称・他称で二つ名がつけられることもあるらしい。
私は自称で【一途な剣】ってつけたはずなんだけど…いつの間にか…いや、正確には私の血筋が関係する依頼をこなした後から【稲荷姫】と呼ばれ始めた気がする。



いろいろ考え事をしてるとハーヴェスでも自然が多い区画についた。山に森に、畑にと自然と人工的な物が少ないこの場所は私のお気に入りの場所。
腰を掛けるのにちょうどいい岩を見つけて、手提げ袋を置いて、中からとあるものを取り出す。
それは、5色位の毛糸と棒編みとその他裁縫セットだ。


「うーん…何を編もうかな〜?手袋?いや、やっぱりマフラーかなぁ?」


裁縫って実は初めてだったりする。でも、何事も挑戦って大事って。父様が言ってたので、見習ってみようと思う。
料理だけを極めるのもいいけど、他の趣味を作ってみるいい機会かもしれないからね。

「さてと、どんなものができるかな?」


私は毛糸と棒編みを使い、編み始める。
何ができるかは神のみぞ知る…なんてね。


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PL:音紅より

数億年ぶりに日常日記書いてみました。時系列的にはアビスで呼ばれる直前のと言う感じです。
今回は料理じゃなく、他の趣味を見つけるためのお話です。家事スキルは高いラティですが、裁縫とかは実はやったことがないのです。
何が完成するかは少し時間をおいてから続きを書くことにします。

もちろん、絡み等はご自由にどうぞ〜

[36] バイオデジタル社会と経済

投稿者: れもね

バイオデジタル論とはスペキュレイティブ・リアリズムとニューロ・キャピタリズムの理論を思想的基盤に様々に細分化された非物質的本性としてのモナドの生成と相互主観性論の内在性を考察する社会学者、建築家でありプリマス大学トランスアート学部の松本良多が主唱するデジタル以降の社会における概念である。
ポストデジタルの解釈を起点としクリティカル・ポストヒューマニズム、トランスヒューマン、非平衡科学の自己組織化 (Self-organization) にもとずくアクターネットワーク論 (ANT) の概念をも視野にいれたマルチレイヤーの理論として展開される。バイオデジタルはデジタル以降の様々な内観的 (Introspektion) な現象学の概念、バイオ・コンピュテーション、インタラクティブ・ネットワーク、生命体の形成過程における複雑系、生成の偶発性をデジタルメディアにとりいれた根源的再考に準拠している。

テネシー州立大学教授のサラ・ヘイズとプリマス大学トランスアート・インスティチュートのディレクターの松本良多がアンソロポセン (Anthropocene) の階層的体系におけるデジタル以降のディスクールとしての思想としてディファインした。松本良多はバイオテクノロジー、トランスヒューマン、分子生物学、生命体のみならず総合的なアクタントの有機合成の過程との類似性を視野に生命と流動性とその潜在的対象からバイオデジタルを生命の受動的自我のメタ科学として解釈している。

[35] 松本良多と美術

投稿者: アートクリット
https://www.ryotamatsumoto.com

松本良多 (Ryota Matsumoto) はニューヨークと東京を拠点とする建築家、社会学者、アーティストである。10代を香港で過ごした後、ロンドンAAスクール、グラスゴー・スクール・オブ・アートにて90年代に建築と哲学を学び、2007年ペンシルベニア大学大学院芸術学部建築学科修了する。

建築家、アーティストとして黒川紀章、シーザー・ペリ、MITメディアラボ、音楽家のピーター・クリストファーソンと協働し、ベトナムバクマイ病院、九州大学センター地区のマスタープランをはじめ多数の建築、都市計画、アートのプロジェクトを手掛ける。ポーランドのシレジア大学の講師を経て、2016年よりプリマス大学 Transart Instituteの客員教授に就任後はクーパー・ユニオン、プラット・インスティチュート、コーネル大学、ニューセンター・オブ・リサーチ・アンド・プラクティスにて教鞭をとっている。

社会学者、評論家としてはオスロ国立美術大学、 テネリフェ市立美術館にて加速主義、ポストヒューマニズムについて講演している。2017年にはレバーヒューム・トラスト国際学会の招聘によりコーネル大学にて「ポストヒューマニズムと未来都市」について講演する。

欧州においてキム・カスコーンとともにポスト・デジタル世代を代表するトランスメディア・アーティスト、デザイナーとしてInternational Society of Experimental Artist(ISEA)最優秀賞、英国Visual Art Open 最優秀賞、フィレンツェ・ビエンナーレ賞、米国ArtAscent誌ゴールドアーティスト賞、Art Kudosコンペティション最優秀作品賞、カナダArt Exhibeo誌最優秀賞、国際Lynx Prize Be Art Builder賞、英国Lumen Prize賞ファイナリストを受賞している。

2015年には既存の絵画手法を応用したメディア・アートの作品のインターナショナルな評価によりFILE(Electronic Language International Festival)"Prix Lux"部門を受賞する。2016年には日本人として初めてイタリアとスペインからPremio Ora賞を同時に受けている。

2015年、2016年にロサンゼルスのLos Angeles Center for Digital Art、トランスベニア大学にて個展を開催、2018年、韓国国立中央博物館の招聘展、テキサス大学、 ロサンゼルス現代美術館の常設展示作品のアーティストに選ばれている。

[34] 掘り出し物(6/27フリマ会場)

投稿者: ラティーナ・ルベライト
http://bbs.swordworldweb.net/bbs2.5/pc-list2.5/patio.cgi?read=14&ukey=0

冒険者ランクがフランベルジュ級になったラティーナです!ランクが上がってから明らかに同業者(冒険者)の人から声をかけられることになって少し嬉しいです。
あの人にまた一歩近づいたかな?


夏に近づいているからか、猛暑な日が多くなってきた今日この頃、夏服を着た私はいつもの商店街でお買い物!ではなく、少し遠出してたまに開かれるフリーマーケットの会場に来ています。

会場に入ると多種多様の露店に思わず、次から次へと目移りしてしまいます。

「フリーマーケット、前から興味があったけどなかなか来る機会がなかったけど今日来れてよかった〜」

最近は冒険者の仕事の方は落ち着いていて、大半が母のお店の手伝いばかりだったので久々の休日を満喫出来そうで思わず、独り言が声に出てしまう。
咄嗟に口を押えるが幸い、気にする人はいなく、「ふぅ…」と一息つく。

気持ちを落ち着けて、一歩、また一歩歩みを進め、露店に並べられている商品を確認しては次の露店へと移動する。




マーケットに入ってから少し時間が経ち、ふととある露店に足が止まる。そのお店は押し花の栞を取り扱う露店だった。
売りに出されている栞は花の種類が豊富で見るだけでも楽しめる。楽しむのもいいけどそれだけではただの冷やかしと変わりない。いくつか仲の良い冒険者仲間の為に買っていこうかな。

「すいません、触っても大丈夫ですか?」

その問いに出店者から了承が出て、私は商品の1つを手に取る。

「えっと、これの花言葉は…『友情』と『仲良し』だったかな?うん、これください。それとこの花の栞って数ありますか?」

私は出店者に栞を渡すと、売れるとはと思ってなかった風な表情で急いで在庫をチェックし始めました。
確かに、フリーマーケットでは栞は売れそうではないですけど…
そうと思っていたらいくつか同じものを出して、包んでもらえました。感謝の気持ちを込めて提示された金額より気持ち多めに出しておきます。
出店者は少し驚いた顔をしてましたが、

「チップとして取っておいて下さ…あれ?」

笑顔で返答しようとしましたが、二つの栞が目に入って、気が付けば手に取っていました。
片方は花弁が白く小ぶりの物と、もう一つは大きな紫色の花弁の物。
それぞれの花言葉は、『幸福・願い続ける』と『永遠の愛・誠実etr』
思い浮かべるは仲間思いだけど、私のことをとても気にかけてくれる彼の顔。
流石に紫色の花の栞は渡すことは出来ない。これは全てが終わってから…渡そう。

「すいません、この二つも買いますね。」

追加の料金を渡す。この二つを袋に入れて、露店から離れる。

いい買い物をしたなぁ〜他には一体何があるんだろう?今から楽しみです!!

――――――
PLより
久しぶりに日常投稿してみましたよっと、最近過疎気味ですごい申し訳ない限りです。
PC環境が変わり、慣れるまでもう少し時間がかかるかも?慣れたらシナリオ作成再開しますのでしばしお待ちを。

えっと、フリーマーケットをブラブラしてるラティちゃんです。絡みなど自由ですので積極的にどうぞ。

[33] 歩み出す未来

投稿者: ハク
http://bbs.swordworldweb.net/bbs2.5/pc-list2.5/patio.cgi?read=34amp;ukey=1


>「返事はもう決まってます。私、ラティーナ・ルベライトはその日が来るまで待ってます。」

小さくはにかむようにしてラティが告げる。
その答えは、自惚れでないのならば、承諾と同義だろうと思われた。
胸の裡が熱くなるのを感じる。
そのまま、確固とした関係性を約束したい想いに駆られるが、――――今は、まだ駄目だ。
“剥奪の紋”がいつ、どう作用を及ぼしてしまうかわからない今は、まだ約束はできない。

思いとどまることにここまで精神力を使うのかと、思わず自身に少し呆れながら口を開いた。


「ありがとう。ラティ」

囁く言葉に彼女の頬が赤くなる。
暫くそのまま腕の内の温もりを楽しんでいると、ラティが身じろぎをはじめ、恥ずかし気に言ってきた。


>「ハクさん…そのそろそろお店の方に行きましょう?えっと…人目が少し気になってきました…」

……人目?
見やれば、確かにちらほらと目線が投げられている。
寒い時期で人通りは少なめとはいえ、ここは大通りの一つ。長く立ち止まっていればまぁ、さもありなんという所だろう。

――――別に、俺は気にはならないが。

別段、悪いことをしてるわけではないし、通行の邪魔というほどでもない。
もう少し恥ずかしがるラティを堪能したいという悪戯心も沸いては来るが。あまりやり過ぎれば、流石に怒られてしまうだろうか。
何事もほどほどは肝要である。


「そうだな」

よそ見したままの隙だらけの額に一度、軽く唇を落とす。
驚く彼女の顔が再び赤く染まるのを楽しみながら、腕を解いて先と同じように手を繋ぎなおした。


「では、向かおうか」

淡く笑みを浮かべながら、ゆっくりと手を引いて歩きだす。
案内のために小走りで前に位置を変えるラティを見やりながら、幸せだな、と思った。



――――この幸せな時間が。日々がずっと続いていくように。

俺は祈り。呪いを解く決意を新たにしたのだった。



*************
(PLより)
完!!
としてもいいような形で一応しめてみました^^
アンサーSSをいれて〆にして頂いてもいいですし、お買い物シーンの描写など、やりたいネタがある場合はまだ続けて頂いても全然大丈夫です!^^

ラティが可愛くて可愛くて堪らないPLとハクさんです(笑)
つい、揶揄いたくなってしまいますねー!w
 

[32] 散歩(ハーヴェス王国、住宅街、3月上旬、朝)

投稿者: ヴルーヒル
http://bbs.swordworldweb.net/bbs2.5/pc-list2.5/patio.cgi?read=73

 ヴルーヒルは試しに住宅街にやってきてみた。同じような造りでできた石造りの家が建ち並んでいる様子は整っていて綺麗だと感じる。ふと立ち止まり辺りを見回すと故郷であるセールの街の住宅はどれも大きく派手だったのを思い出す。彼はある意味異国の地に居るのだった。
 「綺麗な街だなぁ、、、」そう呟くと、近くに居た壮年の人間と目が合った。ヴルは彼が(褒めてくれてありがとな)と微笑んでいる気がしたので、ふと笑みを返しつつ軽く会釈して歩を進める。
 ヴルは何となく温かい気持ちになって、冒険者となって良かったな。とセールの街を懐かしみながら、散歩と称したハーヴェス王国探索を進めるのだった。

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